WVA at Paris-Roubaix 2026
レース後、パリ〜ルーべ2026の映像を、見直してみた。フィニッシュ前の様子は、各国語で、あるいはベルギーの人々の喜ぶ姿と共にいくつも見た。それから、今一度レースをスタートから見直してみた。
この後、何が起こったのかを知って見るのとまた別の感情が湧いてくる。リアルタイムに見ていた時とは、別のものが見えてくる。アランベールに最初に突入したワウトを見た時、昨年のワウトとは少し違う感じがした。その時は、そこまではっきり思ったわけではなく、いい意味での違和感があった。鬼気迫る感じだった。
このレースに先立ったレース、ミラノ〜サンレモで、ワウトはポガチャルと共に落車に巻き込まれた。終盤、プロトンから単独でアタックを仕掛る。前を走るポガチャルとピドコックには届かなかったが、3位表彰台を獲得する。ブレナンの体調不良により、このレースに急遽出場したカンペナールツが語っている。
JCampenaerts noticed something in Van Aert’s efforts during the chase. “When I saw him riding, it was a different Wout than the one I saw in races last year,” he said.
“He won fantastic stages in the Giro and the Tour, but this looked different. It looked sharper, there was more form coming off him. Last year it sometimes looked more like he was working for it.”
カンペナールツは、追走中のファン・アールトの走りに何か違和感を覚えた。「彼が走っているのを見た時、去年のレースで見たファン・アールトとはまるで別人だった」と彼は語った。
「ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスで素晴らしいステージ優勝を果たしたが、今回は様子が違った。よりキレがあり、力強さが感じられた。去年は、まるで苦労して勝利を掴もうとしているように見えた時もあった」
このカンペナールツの直感は、パリ〜ルーべという最高の舞台で現実のものになる。
レースには3つの重要なポイントがあったように思う。
1つ目は、5つ星セクターアランベール(セクター19)。ワウトはアランベールに先頭で入った。セクター手前で、ワウトを牽いたのはマシュー・ブレナン。そしてこの時点で全ては決まっていたのかもしれない。これまでブレナンを牽いてきたワウトを、その日はブレナンが牽いていた。そして、このセクターでマチューがパンク。2分近いビハインドを背負うことになる。
次のポイントは、セクター12。先に攻撃を仕掛けたのはワウト。この時点で、ポガチャルが反応し、先頭はポガチャル・ピーダスン・ワウトの3名に絞られる。そして、カウンターアタックでポガチャルが仕掛け、ここでピーダスンが付き切れして2名になる。ワウトもぎりぎりだったように見えるが、なんとかポガチャルに付いて行き、自分と脚質の似たピーダスンをここで振り切った。
3つ目は、最後の4星セクター。ここを逃すと、残すところはイージーな石畳のみ。ポガチャルがワウトを引き離す最後のチャンスだった。ここでポガチャルはスリップして危うく落車しかける。ワウトがこれをよけ、両名とも無事に通過したが、ポガチャルはラストチャンスを逃す形になった。ここでベロドロームでのスプリント決戦がほぼ確実になった。


ペロドロームでのスプリントなら、ワウトに分があることは誰でも分かる。それでも最後の瞬間を見るまで、観客は私と同じように、手に汗握っていたに違いない。
ワウトという選手は、とても不思議な選手だ。記録に残る勝利数だけで言えば、ポガチャルやマチューの方がずっと多い。でも、彼の仕事は自分の勝ちだけにとどまらない。ヨナスのツール勝利をアシストし、サイモンの8年越しのGiro勝利を決定づけ、コーイやブレナンたちスプリンターをリードアウトし、1秒の逆転に向けてヨルゲンソンに中間スプリントを取らせる。彼が関わると途端にレースがドラマチックになる。彼のそれまでの「敗北」は、その先の「勝利」のためにあったかのように。今年についてだけでも語るべきことは山ほどある。年初の雪の日のシクロクロスでの骨折(この日のワウトはマチューと競るようなレースを展開していた)。ミラノ〜サンレモの落車とバイク交換。イン・フランダースフィールズでの、マチューとの20kmに渡る逃げ。独走勝利目前で、ガンナに追いつかれたドワルス・ドール・フラーンデレン。ワウト自身のストレスは、そのまま応援する観客のストレスになり、それゆえにあの舞台での勝利で、それが一気に解放された。わずかにポガチャルの車輪の前にワウトが出た瞬間、信じられない気持ちだった。彼を疑っていたわけではなく、これから起ころうとする奇跡が、あまりにも奇跡的で信じられないと感じたのだ。
ちょうどVISMAが2026春のクラシックを総括する映像を公開している。
パリ〜ルーべのような石畳レースは、すべての選手に物語がある。私たちが見ることができるのは、有力選手を含む先頭と追走集団だけ。その後ろにどんな物語があったのかも本当は見てみたい。
そして、ポガチャルの2026年4月12日の負けは、彼自身の次の物語を作るスタートでもある。
I was so many times unlucky in this race, I did stop believing a lot of times, but the next day I always woke up and fought for it again,. Today gave me my life and my family’s life meaning.
There’s no more beautiful way than going to the line with the world champion. He is a true cahmpion and he gave me such a hard time. Beating him in the sprint, mano-a-mano is somthing really special for me./ Pour sa première prise de parole depuis sa victoire sur Paris-Roubaix,
このレースでは何度も不運に見舞われ、何度も諦めそうになりましたが、翌日には必ず目を覚まし、再び戦いました。今日は、私と家族の人生に意味を与えてくれました。
世界チャンピオンとゴールラインを共に走ることほど素晴らしいことはありません。彼は真のチャンピオンであり、私を本当に苦しめました。スプリントで、一対一で彼に勝てたことは、私にとって本当に特別なことです。
/ パリ~ルーベ優勝後の最初の発言
Wout van Aert (TVL) est revenu sur l’incident survenu dans le Carrefour de l’Arbre, expliquant les raisons pour lesquelles sa roue s’était soulevée.
“C’est le plus beau moment de ma carrière. J’espère remporter d’autres grandes courses, mais je savoure encore cette victoire. J’ai ressenti un soulagement bien plus important qu’après d’autres grands succès.”
On se rappelle de l’image où van Aert a levé la roue dans le Carrefour de l’Arbre, il explique son geste : “Je me souviens avoir pensé juste avant : ‘C’est sur cette pierre que j’ai crevé en 2023.’ Mais je ne pensais pas avoir levé autant ma roue.”
ワウト・ファン・アールト(TVL)は、カルフール・ド・ラルブルでの出来事を振り返り、なぜタイヤが浮き上がったのかを説明した。
「これは私のキャリアの中で最高の瞬間です。もっと大きなレースで勝ちたいと思っていますが、この勝利をまだ噛み締めています。他の大きな勝利の後よりも、はるかに大きな安堵感を感じました。」
カルフール・ド・ラルブルでファン・アールトがタイヤを浮かせた光景は、今も人々の記憶に鮮明に残っている。彼はその行動についてこう説明した。「直前に『あれは2023年にパンクした岩だ』と思ったのを覚えています。でも、まさかあんなにタイヤを浮かせていたとは思っていませんでした。」
Comme on l’a beaucoup dit, sa victoire sur le #TDF2025 avec le passage à Montmartre lui a permis de franchir un palier : “Cette victoire a tout changé. Jusque-là, j’étais persuadé que Pogacar et Van der Poel resteraient difficiles à battre. Je sais que de nombreux facteurs ont joué ce jour-là – j’étais bien plus frais que Pogacar, par exemple – mais en le battant, j’ai compris que j’étais encore capable de l’emporter face à ces coureurs si toutes les conditions étaient réunies.”
広く報じられているように、2025年のツール・ド・フランスの、モンマルトルへのステージでの勝利は、彼にとって大きな前進となった。「この勝利ですべてが変わりました。それまでは、ポガチャルとファン・デル・プールは倒すのが難しい選手だと確信していました。あの日は多くの要因が影響したことは分かっています。例えば、ポガチャルよりもずっと体力が残っていたことなどです。しかし、彼に勝ったことで、条件が整えば、自分にもまだ彼らに勝てる力があることを理解しました。」
さまざまな国の実況を聞いて楽しんだ。私がフランス語文学科出身で、若干聞き取れるということもあるが、フランス語の実況が結構お気に入りだ。各国の実況をまとめた動画。何回観てんだ、我?
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